2-5 アプリユーザの登録情報の利用とプライバシーの保護
「OMOTENASHI App」では、非常時と平時の情報提供のために、属性情報をユーザ本人に登録してもらいます。フリーWi-Fiの犯罪利用等を防ぐためメールアドレスの登録も求めますが、IDとして利用する以外の目的には使いません。氏名や住所、パスポート番号といったセンシティブな情報も収集しません。GPSの測位情報は、旅の間、取得し利用します。これらの情報の収集と利用については、本人の許諾を得て行います。
測位情報を使えば、一定のエリア内にいるアプリユーザにプッシュ通知することができますが、誰に対してプッシュしているのかは分かりません。しかし、それでも、住民が日常的に利用すれば測位情報から自宅が知れるリスクが高まりますし、行動の履歴から生活パターンが読み取れてしまう懸念もあります。GAJaでは、外国人旅行者だけでなく、外国人住民や日本人住民にも、災害情報を提供していくことを計画していますが、住民向けアプリでは測位情報は取得せず、代わりに居住地を登録してもらって配信に利用することを検討しています。居住地を番地まで登録するとやはりプライバシー上の懸念が生じるので、丁目程度の粗さにとどめるつもりです。
もっとも、土砂災害のリスクの高い地域に住む住民の測位情報を利用すれば、簡単に、そのエリア内にいる人にアラートを届けることができます。測位情報の利用とプライバシーの保護とのバランスは、社会的にも、個人的にも、正解は一つということではないので、地方自治体がどう住民に災害情報を届けていくのか、実証していきます。